子供が生まれると日々様子が変わる我が子。そんな成長を記録するため、カメラが欲しくなります。「もうすぐ子供が生まれるんだけど、どんなカメラがいいのー?」子供を撮影するプロカメラマンとして、おすすめのカメラを聞かれることが本当に多いです。
子供のかわいい写真を撮るための、一番大事なことってなんだとおもいますか?
「子供がかわいい顔、おもしろい行動をしている時にカメラを持っていること」が一番大事です。そのためには、カメラを持ち歩けるよう小型軽量である必要があります。
そこで私は、軽くて薄いパンケーキの「単焦点レンズ」がついたミラーレス一眼をおすすめします。
そもそも単焦点レンズってなに?という疑問やメリット・デメリットをまとめてみました。
Contents
単焦点レンズってなに?
カメラのレンズにはズームレンズと単焦点レンズがあります。ズームレンズは、ズームリングを操作しながら画角を変えて撮ることができる便利なレンズ。カメラとセットでついてくるレンズは大抵ズームレンズです。
ズームレンズに対して単焦点レンズは、ズームしないレンズのことです。画角が一定で変化しないレンズ。写る範囲を変えるには、自分自身が前後に移動する必要があります。単焦点レンズは悪く言えば不便なレンズです。
単焦点レンズにはズームレンズに勝る利点がいくつかあります。1つは美しく撮れること。
単焦点レンズの設計には「余裕」があり、ズームレンズの設計は相当「無理」をしていて、それが結果に表れているという見方もあります。
自分のカメラがどんなレンズがついているのかな?と思った方。ほとんどの場合は、ズームレンズがセットになっています。(一部、ニコンとキャノンのミラーレスや一眼レフには単焦点レンズがセットになっているものもあります)
ズームレンズと単焦点レンズを例えるなら
Mac(単焦点レンズ)とWindows(ズームレンズ)
アップル社のMacは、Mac専用のOSを搭載しているので、動作も早く快適です。一方Windowsはいろんなメーカーが作ったパソコンに対して無理やりOSを入れているので「無理」があります。私の職場のDELLはタッチパネルではありませんが、よく「画面をタップしてください」と出てきます。MacやiPhoneユーザーなら洗練されたものが好きなはず。Macユーザーには是非単焦点レンズを使って欲しいです。
ガスオーブン(単焦点レンズ)とオーブン機能付き電子レンジ(ズームレンズ)
オーブンレンジは便利ですが、パンを焼くとしたらその差は歴然です。
万年筆(単焦点レンズ)と多機能ペン(ズームレンズ)
三色ボールペンは便利ですが、よく壊れます。万年筆が壊れることは滅多にありませんし、書いた感じにとても味わいがあります。
MP3プレイヤー(単焦点レンズ)とスマートフォン(ズームレンズ)
スマホは便利ですが、音楽聴いてる途中で電話がかかってきます。電池の消耗も激しいです。
単焦点レンズの良さ、伝わったでしょうか。
単焦点レンズで子供を撮るメリット
室内で動き回る子供をブレずに撮ることができる
「子供を撮ろうとすると動いてブレてしまう」というご相談をよくいただきます。屋外の明るい条件であれば、シャッタースピードを上げることで被写体ブレを防げますが、夜の室内など暗い条件ではレンズの明るさが必要です。単焦点レンズはズームレンズに比べて光を取り込みやすい構造になっているので、感度をあげてシャッタースピードを上げれば室内で子供が動いていてもブレずに撮ることができます。
猫に興奮して奇声を発しながら立ったり座ったりしている1歳児。猫が超迷惑そうな顔をしているのがわかるでしょうか。ちなみに夜9時半の出来事です。暗い室内で1歳児が動き回っててもブレにくいのが単焦点レンズです。
背景がきれいにボケる
せっかくスマホやコンパクトデジタルカメラじゃなく一眼レフを持つなら、背景をぼかしたいですよね。単焦点レンズは背景をぼかすのが得意です!
背景をぼかせば部屋が汚いのをごまかせるなぁ・・という不純な動機で撮った写真。まん丸顔も背景をぼかせば美しい?
ズームレンズは開放F値がF3.5-5.6というものが多いです。単焦点レンズでも開放F値がF2.8以下のものは綺麗に背景をぼかすことができます。開放F値とは、別名「絞り」といって、カメラ内部に光を取り込む量のことを言います。数字が少ないほど、たくさん光を取り込むことができて、通称「明るいレンズ」と言われています。
開放F値が明るいズームレンズは重たくて大きいものが多いのですが、単焦点レンズは構造に無理がないので軽いものが多いです。
難しいことはさておき、単焦点レンズをつければあなたも簡単に背景が綺麗にボケた写真が撮れますよってことです。やったー!
暗いシチュエーションでもストロボを焚かずに撮ることができる
単焦点レンズは光を取り込みやすい構造になっているので、明るいレンズと呼ばれているものが多いです。室内や夜の屋外など、ズームレンズではストロボを焚かなければ撮れないような時でも単焦点レンズはストロボを焚かずに撮れることが多いです。
日本人は真正面からの光で撮ると、写真写りが悪くなる傾向にあります。ストロボを焚くとその場の雰囲気が壊れてしまうこともあるので、できればストロボなしで撮りたいですよね。
たとえばこんな時。明け方に子供を見たら寝相が揃ってた!ストロボを焚いたら起こしちゃいそうですよね。こういう写真をストロボなしで撮れるのが単焦点レンズのいいところです。
単焦点レンズで子供を撮るデメリット
運動会、発表会など、子供が遠くに離れた時に思ったようなトリミングで撮ることができない
たとえば運動会。場所取りに失敗すると、子供のいい顔を撮るには望遠レンズで撮るしかないのですが、持ってるレンズが広角の単焦点レンズ一本だったりすると対応できないですよね。我が家の場合は遠方に住んでいる義両親のためにビデオを撮ります。行事ものは写真よりビデオの方が喜ばれるので・・
写真屋さんとして運動会の撮影もしていたので、プロが一番いいポジションで撮影できることは熟知しています。なので、かけっこのいい写真なんかはプロに任せて、自分はビデオとオフショットの撮影に専念します。なので、意外に単焦点レンズで困ったことはないんですよねぇ。
一本で全部のシチュエーションを済ませることはできない
単焦点レンズはズームできないので、運動会も寝顔も室内の暗い撮影も1本でぜーんぶ撮りたい!というのはできないです。私も仕事の撮影の時はズームレンズを使います。まあズームレンズでも全シチュエーションを撮るのは難しいですけどね。
子供を撮るのにおすすめな単焦点レンズ
大は小を兼ねるように、望遠よりも広角レンズの方が広く写ります。情報量も多いです。
私が使っているFUJIFILMのミラーレス一眼には23mmF2というレンズがついています(焦点距離35mm相当)変わったレンズがついてるな〜と思っていましたが、これが!意外に!すっっっっっごく良かったんです。
レンズにはいくつか種類があって、おいしそうな名前がついている「パンケーキレンズ」というものがあります。パンケーキレンズは、パンケーキのように薄い(本体から飛び出す長さが短い)レンズのことです。
パンケーキレンズはコンパクトなので、携帯性に優れています。カメラとレンズを持ち歩かないと写真は撮れません。持ち歩く頻度が高いと、使用頻度が上がります。
子供がいると荷物が病的に増えますから、小型軽量であることに加え「レンズが薄いこと」が大事です。FUJIFILMのx100も厚みが20mmほどの薄型ペッタンコレンズです。
おすすめの単焦点レンズを、軽い順にまとめてみました。
最軽量67g!SONY 単焦点広角レンズ 16mm F2.8
SONY E 20mm F2.8
OLYMPUS M.ZUIKO 17mm F1.8
Nikon 単焦点レンズ ニッコール10mm F2.8
パナソニック LUMIX G 20mm F1.7
重さ87g、厚み25.5mmのレンズです。40mm相当の焦点距離です。パナソニックのレンズは、オリンパスと互換性があります。しかし、パナソニックのボディにオリンパスのレンズをつけると、手ブレ補正がなくなってしまうというデメリットがあります。オリンパスのボディにつけるならOKです。
Canon EF-M 22mm F2
重さ105g、厚み23.7mmのレンズです。Canonもミラーレスを出していますが、一眼レフレンズとの互換性が微妙だったり、種類も少ないそうです。一眼レフ用のレンズもアダプターでつけられるそうですが、アダプター分の長さがあるのでミラーレスのメリットである小型軽量から離れてしまうとのことです。センサーサイズも大きくて、安いボディも出ているのでミラーレス+単焦点では一番安い組み合わせがあります。でも、他のレンズがほしい!となった時に種類がないのは悲しいですねぇ。
子供撮影におすすめの単焦点レンズまとめ
軽くて「薄い」ペッタンコなレンズをおすすめしてきましたが、もちろんこの一本で全てOKというわけにはいきません。そういう不便さはありますが、美しい背景のボケや暗いところでも綺麗に撮れる楽しさを知るとズームレンズが物足りなくなります。
子供はすぐに大きくなってしまうので、買うのをためらっている暇はありませんよー!単焦点レンズで撮るアートでプライスレスな日常を、ぜひ体験して欲しいと思います。