旅行の思い出や子供の写真をフォトブックにしようと思って色々見ていると「銀塩(銀写真)」とか「印刷」という言葉を見かけませんか?
銀塩と印刷の違いは「紙」と「粒子の数」です。
子供の写真をフォトブックにするなら、どちらが色がきれい?どちらが耐久性がいい?
耐久性や発色などからそれぞれのいいところ・悪いところを写真のプロの視点からまとめてみました!
Contents
銀塩と印刷の粒子の数
ズバリ!写真をつくるツブツブの数が圧倒的に違います。
ツブツブを写真の世界では「粒子」と言います。
銀塩写真の粒子は億単位
銀塩写真は乳剤という層の中に無数のツブツブがあって、それぞれが発色します。
銀塩写真の「粒子」というのは、乳剤の層の中に億単位で存在します。
粒の1つ1つが発色して写真ができあがります。
粒と粒が重なり合ったりしているので、色味に奥行きが生まれます。
印刷写真の粒子は規則的に、平面的に並んでいる
それに対して印刷は、規則的に、紙の上に平面的に並んでいます。
虫眼鏡で印刷の写真をよーく眺めると、草間彌生ワールドが繰り広げられています。
※草間彌生とは
「水玉」模様で有名になった日本の画家。
どちらが優れているかといえば、そりゃアナタ。
粒子が多い方が写真はきれいです。
グラデーションの隙間にツブツブが埋まっている方が滑らかです。
カメラを選ぶとき、画素数ができるだけ多い方を選びますよね?
ISO感度は低感度の方が細くて画質がきれいです。
印刷も、ツブツブが多い方がきれいなのは想像つきますよね。
でも、デジタルに時代が変化していく中で、銀塩はどんどん少なくなってきています。
フォトブックの会社を調べると、14社中銀塩写真を扱っているのはたったの4社でした。
それぞれのメリット・デメリットを比較してどちらを選べばいいか解説していきます。
銀塩フォトブックのメリット・デメリット
◎粒子が多い分、グラデーションがなめらか
写真の色を作っているのは「粒子」というミクロなツブツブですが、粒が多い方がグラデーションはなめらかです。
◎印画紙に厚みがあるので、紙に比べると丈夫
昔の古い写真を見ると、紙というのは乾燥にも湿気にも弱いという難しい存在です。
乾燥すればパリパリに割れてしまうし、湿気が多ければカビてしまいます。
古い写真を仕事で見ることが多いので、厚みがある分銀塩写真は丈夫なんだなーというのが実感です。
耐水性、対光性、対ガス性が高い
デジタルの銀塩写真はレーザーで露光させていますが、昔ながらの現像作業(発色、停止、水洗、乾燥)をしているので耐久性が高いです。
もし、コーヒーなどをこぼしても、プリントの状態であればこすらずに水洗して乾燥すれば元の状態に戻ります。本になってしまってるとできないですけどね。
写真館の写真も散々やりました。台紙からはがして水洗いしてね。
嘘だと思うでしょ?本当だけど、試すなら安いL判にしてくださいね〜
△乳剤は触ると指紋がつく(T ^ T)
L版のプリントを素手で触ると指紋や跡が残りますよね。
あれは、印画紙の表面にある「乳剤」というゼラチン質の層があるためです。
写真館のプロプリントは長期保存するためニスやラミネート加工されています。
一般向けのフォトブックは、銀塩写真でラミネート加工が無い会社もあります。
個人的にはありえないでしょ・・と思うんですけどね。
銀塩フォトブックを選ぶなら、必ずニスやラミネート加工されているものを選びましょう!
△印画紙に厚みがある分、紙に比べると厚くなりやすい
写真館の写真は、合紙製本された本に、一枚一枚プリントを貼っていくタイプのものが多いです。これが10〜20ページならいいのですが、30ページ以上になると分厚く、重くなります。
ページ数を少なくてOKなら銀塩がおすすめですが、ページ数が多い写真集のような感じにしたいなら印刷がおすすめです。
△製本が印画紙をはり合わせる合紙製本にほぼ限定される
基本的には銀塩写真を印刷する印画紙は片面のみです。
そのため、紙と紙をはり合わせるか、台紙に印画紙を貼り付ける製本に限定されます。
これもページ数が増えるとものすごい厚みになるので、銀塩は少ないページ数を作るのにむいています。
印刷フォトブックのメリット・デメリット
◎薄い紙に印刷できるので、枚数の多いフォトブックでも薄くて軽い
アスカネットのオートアルバムでアルバムを作ったら、とても薄いアルバムができました。
長女が生まれた年の209カットを一冊にまとめました。
もう厳選できないよ!どの写真も大事!という人にはこの上なくおすすめ。
画像を選べば勝手にレイアウトしてくれるという優れものです。
200カット以上入って厚みたったの3ミリ!
本棚に入れたオートアルバムが薄すぎてすぐに見つからなかった。それぐらい薄いです。
銀塩にはできないことです。
◎色の雰囲気が軽やか
銀塩写真は粒子が多いのでなめらかですが「ヌルッとした感じ」「重たい」という印象を受ける方もいるかもしれません。
◎安いのに本格的な写真集が作れる
ノハナ、TOLOT、しまうまはワンコインでフォトブックを作ることができます。
驚異的・・銀塩ではできないことです。
△紙が薄いので乾燥や折れに弱い
単純に紙が薄いと、子供がペラペラと荒っぽくめくってると折れることがありますね。
昔の本でページの端っこがパリパリになって折れたり切れているのを見たことはありますか?
紙が薄いとあんな感じになります。
△インクがむき出しになっているので保存性が銀塩に劣る
銀塩が層の中の粒が発色しているのに対して、印刷は紙にインクを吹き付けます。
インクがむき出しになっている分、保存性は銀塩に劣ります。
結論!
今0歳のお子さんが60歳〜70歳になってもちゃんと残っている写真を選びたいと考えるなら、銀塩写真、もしくは中ページがコーティングされたフォトブックを選びましょう。
色の表現は銀塩の方が上ですが「パッと見銀塩と変わらないくらいキレイ」というフォトブックも増えてきました。
保存性は、丈夫な紙に印刷されていて、コーティングされていればそれほど差はないんじゃないかな?と思います。
んー、つまり、銀塩の方が色も保存性も高いのですが、卒業アルバムなどを作っている老舗の業者さんなら保存性は安心!というところですね。
銀塩フォトブックを選ぶならこの2社から。
店舗を展開しているので、お近くにカメラのキタムラがあれば実物を見ることができます。選ぶなら、銀塩のレイフラットを。
銀塩、中ページにコーティングあり、合紙製本という写真館のようなしっかりしたアルバムを作ることができます。でも、この会社名前を聞いたことがないんですよね〜
印刷フォトブックを選ぶならこの2社から。
卒業アルバムなどを作っている老舗です。ナカバヤシのフエルアルバムを使っている人も多いと思います。糸綴じ製本ですが、開きがよく丈夫です。
プロも一般の人もアスカネットのフォトブックが普及してきました。中ページにもコーティングがしてあって耐久性に優れていると思います。
サイトをのぞいてみて、お気に入りのフォトブックを探してみてくださいね!